遠くで食べたい。   京都グルメ・ア・ゴーゴー

今回はちょっと奮発して秋の京都を堪能です。今回の立会い人は京都好きの横浜市民Sさん。もうすっかり京都通なので、廻る場所もひとひねり。

 11月1日、京都駅でSさんを迎えた。メル友のSさんとは1年ぶりの再会になる。昨年の11月にもSさんが京都を旅行した際、同行させていただいたのが初対面だった。 今回も11月アタマの連休を利用して京都に来られたのだ。 1年ぶりに会った彼女は、以前と同じくやや上目使いの表情で人ごみの中から現れた。 彼女は何度も京都に通い、すっかり京都通なので、有名どころは既に行き尽くした感がある。なので、今回廻る場所はちょっとひとひねり利いたところだ。
 まず向かったのは京都駅近くにある渉成園。東本願寺の飛地境内であり、庭園が美しい。写真を撮るのが趣味のSさんはバッグから女性には不釣合いに思えるほどの本格的一眼レフを取り出し、バシャバシャと庭園の風景を切り取っていく。二人とも歳のわりに変に老成してるのか、寺や庭園などを好み、特にSさんは御朱印集めなどをしていたりする。うら若き女性の趣味にしてはいささか渋めだろうか。
 渉成園を堪能した後は、「洋食の東洋亭」で昼食。北山にある「キャピタル東洋亭」の支店。本店よりカジュアルな雰囲気だが。東洋亭ハンバーグは旨みを逃がさぬようホイルで包み焼きされている(写真1)。ホイルを破っていただくと、ジューシーな肉汁が口の中に広がる。一緒についてくるトマトサラダはトマトまるまる1個のボリューム。
 おなかいっぱいになったところで、西院の宿に荷物を置き、レンタカーで高雄へ。嵐山高雄パークウェイからは保津川も一望できる。神護寺に到着。まだ紅葉には早いが色ついているもみじもある。かわらけ投げの名所というところは山々を臨むなかなかの眺望。さらに西明寺と寺めぐりを楽しんだ後、162号線で帰路へつく。
 レンタカーを返し、夕食を予約している五条の「枝魯枝魯ひとしな」(ぎろぎろ、と読む。間違ってもエロエロではない)へ。この店はなかなか予約がとれないことで有名な超人気店「枝魯枝魯」の姉妹店。ちなみに本店「枝魯枝魯」は1ヶ月以上前に予約しようとしたが、いい時間はすでに予約が埋まっていた。味の方にも期待高まる。
 店に入ると、厨房を囲むようなカウンターになっており、狭い厨房では若いスタッフが忙しく動いている。ウェイトレスもTシャツ姿でカジュアルな雰囲気。料理の方は「くずし割烹」ということで、意外性のある組み合わせが多い。「そんな合わせ方あるんだ!」と口に運ぶ度に新鮮な驚きがある。豚の角煮を中華パンにはさんだもの(写真2)は有名らしい。柿の松前焼(写真3)も思い出しただけで唾が出る一品。Sさんはデザートの大葉のシャーベット(写真4、左)を自分で作ろうと味を研究していた。ただ個人的には雰囲気はもう少し落ち着いたところが好みだ。枝魯枝魯はいささか人気がヒートアップしすぎている感もある。
 店を出て、夜風で酔いをさましながら、五条から四条河原町まで鴨川沿いを歩く。鴨川沿いはいつもカップル達が等間隔で座っているが、四条の橋の近くにいくと、何やら大きな人だかりができてる。何だろうと思って見ると、100人はいようかという男達が川の中に入り(11月です)、「アラレちゃん」の主題歌を合唱しながらオリジナルの振り付けで踊っている。何がなにやらわからない異様な光景。訳がわからないが、すごく笑える!!2人でしばらく見ていると、その後も「サザエさん」とか「およげ!たいやきくん」とか唄い踊る男達。○ちゃんのオフか何かかと思ったが、Sさんが傍にいた人に何の集まりなのか聞いてみると、礼文島のユースホステルに泊まった人たちの集まりだという。何でもそこのユースはこういうことをするので有名らしく、年に一度この時期に鴨川で唄い踊るらしい。いいものを見せていただきました。
 Sさんを西院の宿まで送り、僕はひとまず大阪まで帰る。


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 2日目、西院で待ち合わせ、阪急電車で河原町へ。うららかな日、てくてくと歩き、まず向かったのは山県有朋の別荘だった無鄰菴 。平安神宮の近くにある。小さな池に映る緑が何とも美しい。ここで日露戦争開戦の決断がなされたらしい。
次に南禅寺。ここは去年Sさんが行き逃し、心残りだったところだ。特別拝観をやっており、三門の上に上ることができた。ここから京都の街が一望できる。楼上の廊下を人のいない状態でどうしても写真に収めたかったSさんは、人が去るシャッターチャンスをずっと狙っていたが、なかなかいなくならないもので。待ちに待った末、ようやく撮ることができた。 法堂では枯山水の庭が味わい深い。基本的に庭好き(じじくさいなぁ)。南禅寺の境内には明治期に作られた煉瓦作りの水道橋、水路閣がある。Sさんがアーチ状の橋桁の下から写真を撮っていた。おもしろい構図。水路閣というからには上を水が流れているのだが、今回はこの上を歩いていくことに。ずっと歩いていくと浄水場に至るだけで、とりたてて何があるわけではないのだけれど。 ここから、インクラインに辿りつく、インクライン(incline)とは傾斜、勾配という意味で、英語ではケーブルカーをこう呼ぶらしいが、ケーブルカーではなくて、船が上がれない急な坂を貨車を使って引っ張り上げるための線路の跡だ。琵琶湖の水を京都に導く琵琶湖疎水は水力発電も目的としており、このために大きな落差で水を落とさねばならないが、その部分は船が通れない。そこでこれを解決するためにつくられたものだ。今は使われていないで、舟を運ぶ台車が残されている。ぶらぶらと歩くにはいい。春には桜の名所でもある。
 インクラインを下ると南禅寺の参道前に戻ってくる。近くでSさんが気になるイタリアンの店を発見。そこで昼食をとることに。「プリモ・ピアーノ」というその店は小さいながら感じのよい店内。手打ちパスタというのがあったので、これのトマトソースのスパゲッティを注文することに。トマトソースとホワイトソースでは使うスパゲッティの太さも変えているらしい。芸が細かいな、と思っていたら、シェフが注文を間違えてホワイトソース用の方を茹でてしまったという。意味ないやん!!そこで急遽、ホワイトソースとトマトソースを混ぜた魚介のスパゲッティにしてもらった(写真5)。手打ちパスタはきしめんみたいな太さの麺です。これはこれでおいしかったので満足。ただし、コレはメニューにはないので頼んでも出てくるかは保証できません。
 次の行き先は金戒光明寺。地元では「黒谷さん」と呼ぶ。実は僕の母の実家は京都で、祖父や曾祖母はここの墓地に眠っているのだ。そこの門前にある石屋でこんな石像を発見(写真6)「うかうか一年」という張り紙の前に狙ってか狙わずか、手前の石像が「うかうかしてたら、もう一年経っちゃったよ!」という感じがよく出ている。さて、黒谷は観光で訪れる人は少なく、秋の観光シーズン真っ盛りの京都でもひっそりとしている。ここは時代劇のロケなどでもよく使われる。子供の頃僕はここの三門の上に登りたいと言って聞かなかったらしい。なんとかと煙は高いとこ上ると言うが・・・三門の高い敷居をまたぎ、本堂でお参り。ここまで来たついでなので、祖父と曾祖母の墓を掃除して、手を合わせてくる。墓地に異様に螺髪のでかい仏がいるが、僕はこれをサイババと呼んでいる。
 住宅地を抜け、さらに真如堂へ。朱色の門をくぐると三重塔がそびえる。 ここは本堂から一本のながぁーい紐が境内の参道へ出ていて、そこに色々な袋類がぶら下げられている。この紐は御本尊の阿弥陀様の手と繋がっていて、この紐を通じて阿弥陀様とのご縁を繋ぐという意味でこの紐にお守りなどをぶら下げているわけだ。 ここで一心に祈るSさん。
 さて、岡崎には 「六盛茶庭」 という有名なスフレ専門店があり、Sさんは行ってみたかったのだが、かなり混んでいたため断念 (僕は後に行って食べたが、卵をたっぷり使い、驚くほどふわふわで美味だった)。
 さらに下り、細見美術館へ。ここは特に日本美術についていい展覧会をよくやっていることで評判だが(その時は琳派の展覧会をやっていた)、美術館そのものの建築やチケットにいたるまでのデザインもスタイリッシュ(写真7)。
 夕食はぐっと足を伸ばして寺町二条のビストロ「ブション」で(写真8)。いかにもビストロという雰囲気の店内。紙ナプキンにバゲットも直置きという本場っぽさ。外国人の客も多いらしく、我々が行ったときも2組のフランス人(だと思う。フランス語しゃべってたから)が訪れていた。ここで鴨のテリーヌを注文したら、出てきましたテリーヌが。とろりとした食感に旨みがつまって「うまーっ!」と思ったのだが、よく考えると鴨の味が全くしない。どこが鴨?と思いつつも美味いのでそのまま食べていたら、しばらくしてウェイターが「すいません、オーダーを間違えてオマール海老のテリーヌをお出ししてしまったので、これはサービスです。」と、鴨のテリーヌと両方いただくことに。 本日、オーダーミス2つ目!でも結果として得した?正直な木こりが金の斧もらった感覚?(←別に正直なわけでもない)鴨は特有のくさみがある ので好みは分かれると思うけれど、それが僕は好み。それにしてもオマール海老 のテリーヌはかなり良かったです。 注文間違えてくれて感謝。
西院の宿までSさんを送る。Sさんは3日目ひとりで宇治をまわるので同行はここで終了。京都 に はまだまだいろんな場所がある。それも観光客 がブワッと 殺到する秋だけでなく 、四季折々の京都を味わって欲しいものです。
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