遠くで食べたい。    東京横浜・ア・ゴーゴー

「遠くで」といっても首都圏の方には目と鼻の先、東京、横浜です。思わぬアクシデントに見舞われながらも、食とアートの旅は続くのです。今回の旅のために装備したカメラ付き携帯でレポートします。

 曇りか雨と言っていた天気予報ははずれ、7月の太陽がじりじりと照りつける暑さだ。照り返す日差しが眩しい。
 新大阪から新幹線に揺られること3時間弱。新横浜駅を降りたブロイラーが最初に向かったのは新横浜ラーメン博物館。昭和30年代の町並みを再現した館内では日本各地の名店が軒を連ねる(写真1)。ちなみにこの町は「鶴亀町」というらしい。どこかで聞いた名前だ。あっさりしたとんこつラーメン好きなブロイラーは迷わず熊本ラーメンの代表格「こむらさき」の王様ラーメンをチョイス(写真2)。ここの麺は硬からず軟らかからずのまっすぐな麺。スープはかなりあっさりだが、にんにくチップの香ばしさが絶妙に絡み合う。
 満足したブロイラーは東京駅に繰り出す。次に向かうのは東京駅近くのブリヂストン美術館。印象派以降のコレクションが充実しており、アート好きのブロイラーは前々から訪れてみたかったところだ。マネ、セザンヌ、マティス、ピカソ、佐伯祐三・・・好きな絵に囲まれ至福の時間を過ごす。しかし、ここで思わぬアクシデントが。2、3日目にお会いする予定だった方が急用の為来られないとのこと。かなりショックを受けつつも、気を取り直し上野は国立西洋美術館へ(写真3)。ここの所蔵品は画集を持っているため、大方知っているのだが、やはり本物を見ると全然違った印象を受ける。特にモネの睡蓮の荒々しいタッチにはかなり見入ってしまう。画集に載っていなかった新しい所蔵品の中で特に目を奪われたのはコルネリス・デ・へームの「果物籠のある静物」。17世紀に描かれたものだが、印象派以前にしてはかなり色が鮮やかで、葡萄などみずみずしい質感を湛える。17世紀の果実が絵の中でこんなにも新鮮さを定着させていることに不思議な気分を覚え、顔を近づけて見入っていると、近づきすぎて係員に注意された。恥ずかしい。
 夜は吉祥寺にてMさんと夕食を。お酒も入り、音楽談議やモフモフの話に花が咲く。Mさんご紹介のお店、料理はおいしかったのだが、店名が思い出せない。申し訳ない。この日はDの家に泊まる。



 2日目、鎌倉に行くはずだった予定を変更し、Dと共に東京見物へ。照りつけるような暑さの中、まず向かったのは駒場にある日本民藝館(写真4)。ここはかの柳宗理が館長を務めるところで、骨董品の陶器、漆器、裂などが展示されている。カラカラと戸を開け中に入ると玄関先になんと柳宗理先生ご本人が!どうもテレビか何かの取材で自ら来られたらしい。写真でお見せできないのが残念。ここでとりわけ気に入ったのが、始めて知った人だが、濱田庄司という人の陶器。何となくお笑い畑のような名前だが作品は素晴らしい。お土産コーナーにも魅力的なものがいろいろ(写真5)。何と濱田庄司の器も小さいものなら3000円そこそこから買えるらしい。かなりそそられつつも、旅先だし割れ物は・・・ということで後ろ髪引かれる思いで断念。
 マニアックな所を攻めた後はベタに浅草へ。雷門の前で写真を撮ろうと思ったら、例の提灯は張替新調のため無かった。どうやら柳宗理で運を使い果たしたらしい。とりあえず、アホアホな脳が少しでも良くなるように煙を被るブロイラー(写真6)。バブルの遺産う○こビル(写真7)を見物後、駅に向かおうとしたら、イラク支援の募金活動をしている人が我々に「5000円でいいですから」。!?聞き間違えたのかと思い、Dに確かめる。「なぁ、今”5000円でいい”って言ってたよなぁ。」「うん、言ってた」。あのー、俺アラブの石油王とかじゃないんですけど。宵越しの金は持たない江戸っ子の金銭感覚に圧倒される。大阪人には理解不能。
 繁華街にはあまり興味ないが、一応渋谷くらいは行っておくか、と初めて渋谷に乗り込む。うーむ、人が多い。ノリ的には大阪の心斎橋付近に似ているが人の多さは半端じゃない。バッグが欲しいというDに付き合い、マルイシティへ。Dはかなり迷った挙句、ポーターのFIELDシリーズを購入。
 夜はDと立川の「器楽(きらく)」で呑み。デザインの話などで盛り上がる。料理も当たりだ。おでん盛り合わせ(写真8)はあっさりとしたダシだが、いい具合に味が染み込んでいる。焼き鳥、揚げ物、シメのタコチャーハンもパラパラとほぐれてうまい。



 3日目は再び単独行動で横浜へ。この日は雨がパラついたりやんだりの生憎の天気だが、おなかをすかせて中華街に繰り出す(写真9)。脳内BGMは細野晴臣の「北京ダッグ」。まずは「雅秀殿」の「究極の豚マン」を食べ歩き(写真10)。ふわふわとした皮の中には椎茸、筍、豚の角煮まで入っていて、脂っこさはほとんどなく、ジューシーな旨味が口の中に広がる。神戸南京町の某有名店より上をいっていると思う。続いては裏道の店で五目炒麺を注文。強火で炒めた麺に具沢山のあんがからみつく。なかなかだったが、惜しむらくは後味に脂っこさが残るところ。ここは店名は出さないでおく。八百屋の店先には夕顔など珍しい野菜、果物が並ぶ(写真11,12)。デザートにドラゴンフルーツを(写真11)。初めて食べるのだが、キーウィの味に似ているといえばわかりやすいか。
 馬車道をぶらついた後、のんびりと石川町方面に向かう。途中、モスバーガー関内店で「匠味」という和風のハンバーガーが売られていた。580円、結構高い。店舗限定で神奈川県下でも4店舗しか扱っておらず、しかも一日僅か10個しか売らないという限定メニューらしい。(詳しくは鶏小屋参照)
 石川町から昔外国人居留地だった山手へ。外交館の家(写真13)、ブラフ18番館(写真14)、エリスマン邸(写真15)、山手234番館、横浜市イギリス館、山手111館と網羅。こういった建築は知識はないものの好みなのでバシャバシャシャッターを切る。エリスマン邸は中の家具もモダンで素晴らしい。
 港の見える丘公園からはベイブリッジが見えるが、生憎の天気の為、あまり綺麗には見えず。谷戸坂を下り元町商店街を歩く。石畳で舗装された洒落た街並だ。バッグのキタムラの本店があったりする。
 日も傾き、そろそろ旅も終わりの時間だ。新横浜へ向かい、横浜を後にする。帰りの新幹線の中でMさんにもらったデモテープを聴く。窓の向こうはもうすっかり暗い。


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