KRAFTWERK LIVE REPORT 

2002/12/15   ZEPP OSAKA

モスモスのまねまねサイトでどれだけの人がクラフトワークを知っているのでしょうか?そうです。自己満足です。でも続けます。運が良ければクラフトワーク関係のサイトから見にきてくれるでしょう。運が悪けりゃ死ぬだけさ。

ちなみに僕はファンとしてはまだまだ初心者なので、思わぬ誤解や記憶違いがあるかもしれません。伝言板で教えていただければ幸い。

どうせ最初は前座と思い、腹ごしらえをして5時前くらいに到着。ZEPPの前には沢山のファンが並んでいる(ちなみに僕は一人で行った。クラフトワークとか好きそうな友達周りにいなかったんで)。

荷物チェックは入念だった(らしい、まともなライヴ行くの自体初めてなので比較できない)。中に入ってロッカーに荷物を押し込み、ヒップバッグとTシャツ一枚になる。ところで何気なく選んだロッカーの番号は「303」だった。うーん、テクノ。

客層としては普通のクラブに場外馬券売り場の人が紛れ込んだ感じ(そんな説明でわかるのか?)。そういうお前はどんなんだ、という感じですが。うーん、あんまクラバーって感じでもないよなぁ。でも場外馬券売り場ゾーンには入ってないと思う。思いたい。
結構こざっぱりした女の子とかも来てたのに驚き。平均年齢もっと高めだと思ってた。
そういや、「RADIOACTIVITY」ってプリントされた黒いパーカー着てた女の子いたな。アレいいなぁ。

↓↓これはエレグラの方の写真。写ってないけどもっとオタクっぽいのもいたそうです。
http://www.insexted.com.ar/gallery/albun02?&page=1

前座の方々

DJ TIM DELUXE
途中からしか見てない。僕はダンスミュージックとしてのテクノも好きな方だけど、あんまりノれなかった。客のノリもイマイチ。客がクラフトワークのファンだというのもあると思うけど。
アンダーワールドの「Born Slippy」のイントロに「おおっ!」と盛り上がるも、そこくらいか。

LIVE SQUREPUSHER
もともとドラムンベースのリズムって僕はあまりノれないんだよねえ。しかも、僕にとってはノイズ垂れ流しにしか聴こえない。「イエス!」とか「カモ−ン!」とか叫んでたけど、うるささに10分でリタイア。ホール出てミネラルウォーターちびちびやりながら床座ってた。

DJ ANDREW WEATHERALL
「BASE!」とか懐かしい感じで割とええやんと思うも、後半はこの後にクラフトワークが控えてるかと思うと、早くクラフトワーク出せ、足疲れた、首疲れた、と愚痴モードに。 これはアンディ・ウェザーオールの責任というよりもその後がクラフトワークという不運によるものです。はい。


クラフトワーク登場

アンディ・ウェザーオールが手を振って引っ込むと、しばらく無音。
その後、「ポッ、ポ、ピュ−ン」というkraftwerk.comの最初のページで流れるBGMが延々10分くらい続く。
「まだかよ」という空気がホールを支配する中、突如ヴォコーダーの声

「・・・ノ ミナサマ・・・」

一斉に歓声が起こり、何を言っているのか聞き取れなかった(あとでBBSなどでみると、「淑女、紳士の皆様」と言っていたらしい。それ以外はドイツ語)。

「NUMBERS」のイントロが流れ、幕が開く。 ステージにはノートパソコン(VAIOか)が4台。
そしてメンバーがぞろぞろと登場。それだけで感動。
「ラルフー!」と黄色い声。アイドルだね。こりゃ。
今回はワイヤーフレームスーツではなく黒い(グレー?)シャツで登場。
向かって

Ralf HutterHennig SchmitzFritz Hilpert Florian Schneider Esleben


だと思われます。

てゆーか、フローリアンこわくなってる。用心棒に使ったらかなりいい仕事すると思う。 スキンヘッドが「オースティン・パワーズ」の悪役みたいになってる。

一応パソコンの手前にキーボードがあるらしく、たまに弾いているようだが、基本的にはただ突っ立っているだけにも見える。パソコンでエロサイト迷子になっていたとしても全くわからない。話通りの直立不動。通夜の席のごとき無表情。
フィリッツとへニングの二人は98年の来日の時のように足でリズムをとってブーイングを浴びるようなことは無かった様子。でも、フィリッツはなんかキョロキョロしてて落ち着きなかった。手持ち無沙汰なのか?
そういえば、曲の途中でフィリッツがとなりのフロ−リアンと何やら話してる場面があったな。
後ろのスクリーンにプロジェクターで映像が映し出される。これはkraftwerk.comで見れる映像に近いものが多い。
しかし、スクリーンにシワがいってるのが気になったな。それくらいちゃんとせえよ。
曲調としてはオリジナルのアレンジに近いものと、"THE MIX"に近いものが半々くらいか。アレンジは理想的だったと思う。

では、曲ごとにレビュー。
来られた方でも全曲は知らないという方は結構いらっしゃるみたいなんで、拙いながらも解説しながらいきましょう。ただし、うそ、大げさ、まぎらわしい、がてんこもりなので安易に信用せぬよう。JAROには通報せぬよう。

01. NUMBERS
アルバム「コンピュ−ター・ワールド」('81)から。アレンジはほぼオリジナルと一緒。 一気に盛り上がる会場。僕も足疲れたとか云ってたのが一気に吹っ飛ぶ。「イチ、ニイ、サン、シ!」と合唱。
ドットの荒い文字で歌詞(といっても数字のみ)がスクリーンに映しだされる。これは、kraftwerk.comで見れる映像のすごい版、みたいのを想像してもらうといいです。

02. COMPUTER WORLD
続いて「コンピュ−ター・ワールド」のタイトル曲。これもオリジナルに近いアレンジ。
ただし、歌詞はオリジナルと違ってMIX TOURの時と同じものです。歌詞を引用して、著作権とかなんとかややこしいことになって嫌な思いはしたくないので、歌詞を公開してるリンクだけはっておきます。自分では手は汚さない。THE MIXのとこをご覧あれ。
http://mitglied.lycos.de/hommemachine/kraft/

要するに、我々の棲んでるコンピューター・ワールドではいろんな組織に我々の情報を握られているぞ、という警告ですね。僕もオリジナルの歌詞を見たときには、「インターポール?銭形の父っあんの?」って感じで意味さっぱりでしたけど。ドイツ語版はちゃんとした歌詞だったようで、それに近くなってますね。 スクリーンには歌詞が映しだされてます。オーディエンスもノリノリ。
ラルフは歌ってるときは、「ちゃんと歌ってるよ」と言うかのように、口に前に呼びかけるように手をかざしていました。

03. IT'S MORE FUN TO COMPUTE/HOME COMPUTER
これも「コンピュ−ター・ワールド」から。アレンジは「THE MIX」('91)の時のヴァージョンに近い気がするけど、ハウス臭さは抜けてたように思います。
映像はコンピュ−ターの回路みたいなの。カッコよいです。

04. POCKET CALCULATOR/DENTAKU
これまた「コンピュ−ター・ワールド」。このアルバムは全曲大好きなので嬉しいかぎり。よく「人間解体」が最高傑作とかいわれるけど、僕はこっちが最高傑作だと思う。
シングル版のジャケットやkraftwerk.comでも見れる電卓が画面に映し出されます。「電卓 クラフトワーク クリングクラングプロダクション」っていうやつ。しかし、オーディーエンスに押させる電卓はなし。
アレンジは「THE MIX」風の4つ打ちながら、ちょっと変わっていて、上モノがうるさくないです。こっちの方が好き。
日本語の「電卓」では大合唱。盛り上がりましたね。 しかし、「IT'S MORE FUN TO COMPUTE」の邦題「コンピューターはボクのオモチャ」といい、「電卓」の歌詞といい、この小学校低学年向けのレベル設定は日本人を馬鹿にしてるんでしょうか。対訳した志倉威っていう人が悪いのか?「NUMBERS」なんて入学準備レベルだしなぁ。

05. EXPO 2000
'99年のシングル。今んとこ新曲。でも、これCD持ってないんですよ。モグリだね。kraftwerk.comでプロモーションビデオ見ただけなんですけど。アレンジはあれよりダンサンブルな4つ打ちになっております。映像はそのプロモと一緒。

06. THE MAN MACHINE
アルバム「人間解体」('78)から。アレンジはオリジナルとほぼ一緒。うれしい。「人間解体」の中ではこれが一番好き。
映像はkraftwerk.comとほぼ一緒のロシア構成主義的なもの。かっこいいねぇ、「MACHINE」って積み重なってくやつ。
ちなみに歌詞はちょっとだけオリジナルと違います。マン・マシーンが「超人」(ウォーズマンみたいなもの)から「人間様の代わり」に成り下がっております。
暗くて重い曲だけに、オーディエンスの大半はクールダウン。しかし、それでも踊ってる人はいるのです。

07. THE ROBOTS
これも「人間解体」から。ただし、アレンジは「THE MIX」の時のものです。
ぎこちない動きのメンバーのロボットと、ロボットの骨組みみたいの(kraftwerk.com参照)の映像 が映し出されます。
例のロボットは出てこなかった。残念。

08. TOUR DE FRANCE
'83年のシングルから。オリジナルに近いアレンジです。 ジャケットの絵が映しだされたあと、ツール・ド・フランスのモノクロ映像になります。

09. AUTOBAHN
アルバム「アウトバーン」('74)。アレンジは「THE MIX」に近いですが、よりのどかな感じになっております。オーディエンスも完全に横ノリ。映像はアウトバーンのマークの後、実際のアウトバーンの映像が。なんか、免許の更新のときに見せられるビデオみたいだね。「アウトバーン」がBGMの教習ビデオがあったらいいなぁ、とアホなことを思うも、「ロボット」とかもTVで世論調査のBGMなんかに使われてたりするので、案外存在するかも。
ちなみにかの国ドイツでは免許は一回取ったら一生もんなので、更新とか無いようです。だから、ずっと若いときの写真だったりするらしいよ。
映像の最後でアウトバーンのマークに赤い斜め線が入るけど。これは、アウトバーンはここで終わり、という意味らしい。真偽のほどは定かでないが。

10. THE MODEL
「人間解体」より。アレンジはオリジナルとほぼ一緒。昔の上流階級の淑女みたいなののモノクロ映像が流れます。
僕はこの曲あんま好きでもないんだけど。何でこれが全英1位になったんだろうね。B面の「コンピューター・ラヴ」(最初はA面だった)の方がよくない?こっちをやって欲しかったなぁ。
前の人が写メールで撮ってた。こういう人は結構多かったみたいね。どっか流出してないかな。

11. NEON LIGHT
これも「人間解体」から。この曲はよいねぇ。映像はまんまネオンです。

この曲のあとラルフがオーディエンスに話かけられたのに答える。
後でBBSを見ると外人がドイツ語で 'Guten Abend' と言い、それに'Guten Abend' (グーテン・アーベント、ドイツ語で「こんばんは」という意味らしい。俺ドイツ語知らん)と答えていたらしいが、 それより「おおっ!喋った!」ということに驚き。

12. RADIOACTIVITY
曲がはじまる前に反核メッセージが流されます。このへんかなり真剣ですね。「ゼロ・ランドマイン」にも参加してたし。こちらのリンクにはそのメッセージものっとります。
http://www.geocities.com/SunsetStrip/Palace/8922/kwalyric.htm

アルバム「放射能」('76)収録。ただし、ここに入ってるのとは歌詞が違います。 より反核のメッセージを強調した「THE MIX」の時の歌詞です。何で歌詞が変わってるかというと、オリジナルの方を聴いて、「ああ、これは原子力をバンバン使え、という曲なんだな」と誤解する人が多かったからだそうですが、これは結婚式で「いい日旅立ち」を歌うのと同じくらいのカン違いなので注意。
アレンジは前半はオリジナルに近いもの、後半から「THE MIX」のようなアップテンポな4つ打ちになります。かっこええ!この曲と「電卓」合唱をライヴのベストに挙げてた人が多かったみたいだけど、同感です。でも、「コンピューター・ワールド」も良かったと思うよ。

13. TRANS EUROPE EXPRESS/ABZUG/METAL ON METAL
アルバム「ヨーロッパ特急」から。鉄ちゃんが喜びそうな歌です。ちなみに「シベリア超特急」とは何の関係もありません。
それにしても、「ツッツクツ、ツッツクツ…」というハイハットのパターン(西川のりおではない)だけでこの曲以外にありえないというあたり、さすがクラフトワーク。
アレンジは「THE MIX」と大体一緒。
映像はTEE 。しかし、あんなにかっこよい列車だったとは。でもなんか「 世界の車窓から」みたいやね。 ちなみに、「ABZUG」とは「アップツーク」と読み、連結器を指すそうです。なるほど。
ラストはラルフが何やら一生懸命手弾きしてました。

これで幕が閉まるが鳴り止まない拍手。
と、幕が開き、「BOING BOOM TSCHAK」のイントロが

ENCORE. BOING BOOM TSCHAK/MUSIC NON STOP
アルバム「エレクトリック・カフェ」('86)から。
アレンジは「THE MIX」の時のものです。映像は例のポリゴンのやつ。
ラストはフローリアンがなぜかお辞儀をしてから引っ込み、それからメンバーが右から順に引っ込んで幕がしまる。しかし、「MUSIC NON STOP」の繰り返しがずーっと流れ続ける。ほんとにノンストップ。


曲目一覧

01. NUMBERS
02. COMPUTER WORLD
03. IT'S MORE FUN TO COMPUTE/HOME COMPUTER
04. POCKET CALCULATOR/DENTAKU
05. EXPO 2000
06. THE MAN MACHINE
07. THE ROBOTS
08. TOUR DE FRANCE
09. AUTOBAHN
10. THE MODEL
11. NEON LIGHT
12. RADIOACTIVITY
13. TRANS EUROPE EXPRESS/ABZUG/METAL ON METAL
ENCORE. BOING BOOM TSCHAK/MUSIC NON STOP


ライヴセットはシンプルなもので、昔のライヴの写真とかと比べるとお金かかってない感はあった。
しかし、音楽とばっちりリンクした映像は、クラフトワークが(元メンバーでビジュアル、作詞で協力したエミール・シュルトを含めて)ほぼ独力で作りあげた「テクノ」という概念を見事に体現していて、まさに総合芸術というべきものだった。
70年代から積み重ねてきた彼らのキャリアを全て出しきったように思う。
唯一、心残りは大好きな"COMPUTER LOVE"をやってくれなかったことかな。

では、再び彼らが来日することを祈りつつ・・・ブンチャ。

最後まで読んでくれたあなたにおまけリンク。こんなんあったよ。ライヴのヴィデオとかあるらしいが重すぎて見てない。
http://kraftwerk.technopop.com.br/

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